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「お前……」
「いやん!?」
どこからともなく声が聞こえてきた。焦って変な声が出たことは気にしないことにしよう。
僕は声の主を探した。
するとそこには、オールバックから触覚のように一本の髪の毛が垂れ下がっている、どこかの戦闘民族のような髪型をした、目つきの鋭いクールボーイがいた。
……はずが無かった。
ただのお米でした。
「……who are you?」
「お前……頭大丈夫か?」
「失敬な! 僕はいたって平常ですう」
「そっちのほうがまずいだろ」
米がツッコミをいれてきた。
この米粒、いったい何者なんだ。
「あのさ、君はいったい誰? いきなり声をかけてきてさ」
「誰って……。俺はユウ。お前の兄だ」
「はい?」
僕の頭は、はてなマークで埋め尽くされた。
察しのいいユウが丁寧に説明を始めてくれる。
「見てわかるとおり、俺達は米だ。ただしそこらの米とは違う。意思がある米だ。」
「は、はい……」
「しかも俺達には知識がある、人の知識がな。ただし過去の記憶はない」
「ん???」
言っていることがチンプンカンプンで、なにひとつ理解できなかった。
そんな僕の様子を見て、
「余計混乱させっちまったみたいだな、すまん。まぁ要するに……」
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