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ドヤア……。見事なまでのドヤ顔に思わず殺意がわく。顔まで決めてきやがった。
そんなこともつゆ知らずユウは、
「俺の意識が目覚めたのはほんの1週間くらい前なんだ。最初はわけがわからなかったよ。でも時間をかけて考えた」
続けて言う。
「そしたらさっきの説明につながったんだ。かなり無理矢理だけどなっ!」
にひっ、と笑う。これじゃあまるで本当に兄貴みたいじゃないか。
ともかくだ。
ユウのことはひとまず置き、これまでの情報を僕なりに頭をひねってまとめてみよう。
「僕は前世が人間のお米、君は兄ちゃん。……あれ、これでいいの?」
案外まとめてみるとシンプルだった。
受け止めきれない事実は多いけど。
「そういうことだな。まっ、俺達二人仲良くやっていこうぜ!」
テキトーな口調でユウが言う。
腑に落ちないことはたくさんあるが、とりあえずひと段落ついた気がした。
僕はやっとのことで心を落ち着かせることができた。
――――しかし。この時から既に、僕の心を蝕む悪魔は……着実に……迫ってきていた。
数日後。
「暇すぎ太郎」
*
お米としての人生が幕を開けてから、数日が経っていた。
この期間で分かったことがある。それは、やることがなさ過ぎるということだ。
太陽のおはようという挨拶から一日が始まり、
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