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僕は片目をつむりながら、
「僕はね、夜空で輝くスターたちを見ながら平和について考えているのさ。生とはなにか、死とはなんぞやってね」
……盛りすぎたかもしれない。
しかしユウはなにくわない顔で、
「ふーん。……じゃあ夜以外はなにしてんだ?」
「よ、夜ですか……?(高音)」
思わぬ返しのせいで声が上擦ってしまった。
ヤツは手強すぎる。ここは停戦すべきだ。
自分でも目が泳ぎまくっているのを自覚しながらも、強引に話題を投げつける。
「……そんなことよりも二人で何かしようよ!」
「……じゃあなにする?」
僕は言葉を詰まらせた。
何するって、そこまで考えていなかった。
しばし沈黙してから、
「……しりとり?」
会話の墓場であろう禁術に手を出してしまう。
仕方ないんだっ!
だって僕達、米だから……。
涙が溢れ出そうになった。皮肉なことに米だから出る涙もないが。
「なんでそんな泣きそうな顔してるんだよ」
どうやら表情に出ていたらしい。
「……分かった。しゃ-ないから、しりとりしてやる」
ユウはしぶしぶといった様子で僕に付き合ってくれた。
ということで、第一回秋のしりとり大会の開催だ。
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