6.舞い降りたカナリア

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 『鳥かご(ケージ)』とは言い得て妙だと、ミハイエールは思う。  一見、華美な装飾品の如き鎖と金輪は、カナリアたるアロを護っている檻なのだと、深く感じ入った。 「えっ?カナリア?」  ようやく割って入ってきたサンズの大声に、レジナもロビも気が付く。 異なる色の三対の目に一斉に見つめられ、さすがのアロも「分が悪い」と思ったのだろうか。  さっさと小柄な身を翻し、『城』の表門へと歩き出した。 ミハイエールの横を通り過ぎ様に、 「説明しておいてくれ。俺より詳しいだろ」 と、言い放ってきた。 「ですから、私のは又聞きで――!」  アロは振り返ろうとはしない。 ミハイエールの反論に傾ける耳など、最初から持ち合わせていないといった風情だった。  華奢なアロの背中に、濃い緑色の目を 「今、『カナリア』とか言ったな。魔法や精霊を降ろすことが出来るアノ、『カナリア』のことか?」 「何だ?その『カナリア』というのは?」  ミハイエールはサンズとレジナ、そしてロビに取り囲まれた。 彼らが口々に訊ねてくる事柄へと、いちいち答えなければならなくなった。  ミハイエールがそうしなければならない理由は、何一つなかったのだが――。
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