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「ええ、そういうことです。是非、どちらが会長に相応しいか勝負しようではありませんか」
そこに居合わせた生徒たちは、私も含めて驚く以外になかった。
「四葉お嬢様が勝負をもちかけるなんて……何かあったのかな?」
周りの生徒たちはひそひそとこの事件に狼狽の声を上げる。
「やっぱり同じお嬢様として対抗意識燃やしてるのかな……?」
その時、四葉さんの眉間が一瞬ぴくっと動いた……気がした。
「まあ四葉お嬢様にはああやって取り巻きの人とかできないもんね……今までも彼方お嬢様のことが気に入らなかったんじゃないの?」
また動いた。
「……とにかく! わたくしは会長として立候補させていただきます。会長推薦人もすでに立ててありますので、貴方も早く会長推薦人を選任してはいかがかしら?」
そう四葉さんが言うと、彼方さんはしばらく黙ってから、ぽつりと答えた。
「……そうだな。考えておくよ」
そうして、四葉さんが彼方さんの元から去ると、また取り巻きの人は「私はいかがですか?」と必死にアピールしていた。
多分、あの周りの誰かを選任するのだろう。そう思い、私もその場を去ろうとすると、ふと彼方さんと目があってしまった。
「…………っ!」
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