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「迷っているね、お前さん」
「何だよ、婆様か」
まだ駆け出しのころから、時折言葉を交わしている辻占いの老婆。
占いなんぞ信じているわけではないが、彼女のアドバイスは常に的確だ。
今度もまた、ジンガラに有無を言わさずタロットカードを混ぜあわせ始めた。
小さな折り畳み式の椅子に腰かけると、その重みでみしりと鳴った。
何度か踏みつぶしてしまった事のあるその華奢な椅子に気を使いながら老婆の手元をうかがっていると、一枚、また一枚とカードが開かれてゆく。
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