39人が本棚に入れています
本棚に追加
/117ページ
老婆と別れ、再びぶらりと歩き始めた。
気にしないつもりなのに、やけに引っかかるあの言葉。
『生涯の伴侶が、見つかるだろうよ』
ありえねぇ、ともう一度首を振った。
いつも傍にいて欲しい人間なんて、いるわけない。そんなもの、煩わしいだけの代物だ。
女と別れる時だって、大抵原因はそれだ。
あれやこれやと束縛してくる。どこにいたのか、だの、誰と会ってたのか、だのと問い詰めてくる。あげくに結婚をちらつかせてくる。
付き合うのだって、こちらからぞっこん惚れ込んで、ということはまずない。
それとなく匂わせてやると女の方から言い寄ってくるか、一発ヤってそのままずるずるだとか、そんな関係だ。
最初のコメントを投稿しよう!