だから女は嫌なんだ!

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「女なんて…女なんてこの世からいなくなればいいんだ…男はどうしていつもこんなに損ばかりするんだ…」  ぐすぐすとイケメン台無しでハナを啜る慶太。その視線の先には“毎週水曜日はレディースデー!”の文字が踊っている。 「これだってそーだよ!不平等すぎね!?なんでメンズデーはないのにレディースデーはどこに行っても存在すんだよ!男女平等とか叫んでおいて立派に男性差別じゃねーかふざけんなっ!」 「それな!駅前のカフェもやってるよなレディースデー…。でもって並んでるのは女子ばっかなんだコレ。男子がぼっちで並んでみ?この疎外感ハンパねぇこと!」 「ですよねっ!ほんとそーですよねっ!!カップルだけオーケーで男ピンは駄目っぽいあの空気マジでなんとかして!?俺らだってなぁ、堂々と甘いもん食べてーんだよチーズケーキ盛り合わせセットめっちゃ気になってんだよ!なんで甘いもん男が食べてたら“かーわいー(笑)”とか言われなきゃなんねーんですか差別反対っ!!」  すっかり日頃から降り積もった女性への不信感が爆発している様子の慶太。まあ、なんでここまで彼が不平等だ不平等だと叫ぶようになったのかには心当たりがある。  いかんけん、慶太が今回フラれた理由が悪かった。そう、慶太は俺と違ってそうそう女が切れることはないが――毎度ものすごい短期間でフラれるのである。おかげさまでモテるイメージとは裏腹に慶太は未だにDTらしい。まあそれは俺も同じな訳なのだが。 「こういうのってさぁ、女は気づかなかったりわかんなかったりするもんなのかねぇ」  はぁ、と俺はため息をついた。 「茜に言われたよー。“男がデートで奢らないなんてありえない!”ってさ。なーんでデートじゃ男が奢るのが当たり前になってんですかねー」  茜、というのは俺の久しぶりのカノジョの名前である。大人しくて清楚、笑顔が可愛い他校の女の子だった。高校生や中学生というのはどうにも制服で補正がかかっている気がする。可愛い制服のオンナノコはそれだけで魅力度がアップだ。足が綺麗だとなおよし。茜自身も可愛かったが、多分そう思ったのは初めて出会った時彼女が制服姿だったというのもあるだろう。  他校――聖啓学園は女子の制服がお洒落なことで有名だ。ダークレッドのチェックスカートたまらん。同じ色のふんわりしたスカーフも大変お洒落でよろしい。
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