11人が本棚に入れています
本棚に追加
/49ページ
ロミオが手札を2枚チェンジした瞬間、瞳に光が宿るのを感じた。それもそのはず、もともとの手札はキングのスリーカード。そこにジョーカーを持ってきてフォーカードになったのだ。
ーーこの勝負は貰った。レイズを重ねてガッポリ行ってやろう!
とロミオは心の中でつぶやいた。
ディーラーはカードを1枚チェンジする。このパターンはツーペアから1枚変えてフルハウスを狙うパターンか、役が無い状態からストレートやフラッシュを狙うパターンが濃厚だ。どちらにしろフォーカードよりは弱い役の可能性が高い。ロミオはそう読んでいた。
場に出されているのはロミオとディーラーの30ゴールド分のチップ。他のプレイヤーはすでにフォールドしており、場には各プレイヤーがファーストベットしたチップが置かれている。
「レイズします」
ディーラーがさらに50ゴールド分のチップをさらに上乗せする。
ーー来たぞ!ここでコールすれば……
「コ……」
ロミオが意気揚々と宣言しようとしたそのとき、
「お前何してんだ!」
後ろから聞こえる声。
「うるさいな!今大事なところなんです。話すなら後にしてください」
ロミオはディーラーの表情を凝視しながら後ろを振り返らずに答える。リュウは深くため息をつくとロミオの肩をガッと肩を掴んだ。
最初のコメントを投稿しよう!