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「だから、今大事なとこ……」
ロミオがそう言いながら振り返った瞬間、あの地下室で見た2つの顔が目に入ってくる。ロミオの言葉は食道を通って胃の中へと引っ込んでいった。勝負師の顔からばつの悪そうな顔へと変わったロミオ。
「いや、その……あまりにも支度金が少なかったんで……あのほら、増やした方がいいでしょ?ね?」
「おい生臭坊主!そういう問題じゃねぇだろ」
リュウはロミオの苦しまぎれの弁明など意に介さず、いらついた声でそう叱りつけた。
「あなた、このお金が無くなったら一体私達はどうやって北東の森へ行くんですか?薬草すら準備しないでワーウルフを倒せるとでもお思いですか?」
「ですから、勝てばいいんでしょ?勝てば」
「お前なぁ、そんなことばっかり言ってたから100万の借金作ったんだろ?」
「アナタに言われたくないですよ!スロットで大量に借金作って夜逃げしてきたくせに」
リュウは一瞬押し黙った。どうやらロミオのカウンター口撃が決まったらしい。
「おい生臭坊主!俺にケンカ売ってるのか?」
「2人ともやめましょう!周りを見てください。これじゃあただの恥の晒し合いですって!」
「おい、落第生のくせに生意気だぞ!自分のことを棚に上げて」
こうして仲裁に入ったランディもリュウの餌食になってしまった。
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