第五章 一輪の薔薇

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車は既に高速を降り、一般道を走っている。 私には葛木先生がやはり思い違いをしているようにしか思えなかった。 何かにつけ私との出来事を、無理矢理藤原の状況に結びつけてしまってるのではないだろうか。 でも自分じゃ意味が無いって言う癖に、なんで私は行くと言ってしまったのだろう。 きっと葛木先生から詳しい話しを聞かなくても、私は藤原と会うことを、電話を受けた時点で心に決めてしまっていたんだ。 私じゃダメだとわかっていても、放ってはおけなかった。 そんな自分に思わず心の中で笑ってしまう。 「今度は私はどうすればいんですか? また、普通に戻れとでも勝手に思えば良いんですか?」 車が静かに停まり、見ればどこかの入り口前の、広々とした車止めにいた。
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