第一章 月曜日の憂鬱

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「ところで・・・・・・」 「はい?」 私は横にいる背の高い先生を見上げる。 「今日の体調不良の理由は何て言ってましたか?」 「やっぱりゲームのしすぎだそうですよ、さすがに怒って下さいよ、先生から」 私がむっとしながら言うと、葛木先生は困ったような顔をした。 「あ、いえ、先生も困りますよねそういうの」 私は慌てて言った。 どうしよう、つい仲良くなっていると思ったけど、踏み込みすぎて嫌がられたのかもしれない。 「あぁ、違うんです。 まだ、そんな事を言っているのかと思いまして」 「良かった。 ほんとですよ、あんなになるまでゲーム・・・・・・・」 突然目の前がぐにゃりとした。 急激に襲ってきた眠気のようなふらつきに私は言葉が続かなかった。 「東雲さん?」 葛木先生が心配そうに覗き込んできているのがわかる。 眠いだけですと返したいのに言葉が出ない。 そして突然目の前がスパークしたようにまっ白になり、私の記憶はそこで途切れた。
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