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「え、ここが?」
「はい、ここの最上階が光明の自宅です。住んでいるのは光明1人ですが」
私は車を降りると呆然と建物を見上げた。
マンションの高さこそ凄く高くは無いが、その建物を見渡せば高級マンションだというのはわかる。
「これが部屋の鍵です」
葛木先生は私に鍵を差し出す。
私はその鍵を見た後、目の前の先生を見上げた。
「私はここで、どうなるんですか?」
どうすればいいのか、とは再度聞かなかった。
何故かこちらの方が合っている気がしたからだ。
「私は、あなたに会えば、きっと光明は戻ってくると信じています。
あなたに危害を加えるような事は、決してしないはずです」
「なんか色々曖昧ですね」
何だか呆れ気味に言ってしまった。
きっと全て先生がそうあって欲しいと願っているだけのことなんだろう。
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