第一章 月曜日の憂鬱

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暗闇の中に佇んでいた。 何故こんな所に私はいるのだろうか。 何か明かりは無いだろうかと目を凝らしていたら、遠くにぼんやりと明かりが見える。 私はそこに向かいゆっくりと歩く。 何も聞こえない。 足音すらも。 そしてその明かりの下に、ぽつんと正座をしている子供の後ろ姿が見えた。 後ろ姿なので顔はわからないが、男の子だろういうとはなんとなくわかった。 真っ暗闇に光を携えた小さな男の子。 寄せ付けない凛とした姿に、私は少し見とれてしまった。 でも。 こんな暗闇に独りだけ。 この子は、寂しくはないのだろうか。 ジリリリリリ。 布団から手を伸ばし、ぱしりと叩いて目覚まし時計を止めた。 『なんか、不思議な夢だったな・・・・・・』 さっきまで覚えていたようで、いざ思い出そうとしたら夢の内容が思い出せない。 ただわかるのは、心の中に残ったよくわからない感情だけ。 私はまだ気だるさを残したまま、学校へ行く準備を始めた。
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