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「・・・・・じゃぁ、今すぐ藤原が長を辞めると言ったら、どうしますか?」
「まさか!光明のような素晴らしい逸材は滅多に現れるものじゃないんです。
それを光明だってわかっています。
そのおかげでこの国はなんとかこれで済んでいるんですよ?
きちんと務めを果たすまでは辞めるなんてありえません!」
「・・・・・先生は藤原の一番の味方だと思っているんですよね?」
「もちろんです」
「なら、自分の理想の長に仕上げるんじゃなくて、藤原が間違っていたらちゃんと指摘して、そして他が全て敵になっても唯一味方で居る、ただの藤原光明を尊重してあげられる、一番の存在になるべきです」
彼女の静かな声で紡がれるその言葉は、まるで巫女が天からの啓示を下々に伝えるかのようだった。
凛としたたたずまいでそう語りかける彼女を呆然と見る。
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