1082人が本棚に入れています
本棚に追加
そしてその突然の衝撃に驚きつつ、ゆっくりと顔を上げ彼女を見る。
そこには、いつも光明を怒ったり、教室で友人達と笑っている、ごく普通の高校生の少女が居た。
さっき見ていた女性とは全く違うように見えて、そんな自分に途惑う。
もしかして先ほどのは巫女の術で、知らずに幻覚でも見せられていたのだろうか。
「どうしてこう陰陽師って変な人が多いのかなぁ」
困ったように笑う東雲さんを前に、私は段々と感覚が戻ってきた気がした。
でも、術が解けたはずなのに、ある感情が心の底に消えずにいる事に気がついた。
それは絶対に私が彼女には持ってはいけないもの。
私はそれを見なかった振りをして、蓋を閉じた。
最初のコメントを投稿しよう!