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私は一つ深く深呼吸し、正座をすると彼女と向かい合う。
「東雲さん」
「はい」
「数々の無礼、本当に申し訳ありませんでした。
そしてどうか、教師と陰陽師をこれからも続けることを許してはもらえないでしょうか。
光明の味方として、いられるように」
お願い致します、と私は心から頭を下げた。
最初に謝った時とは自分の心が全く違う事を理解しながら。
「・・・・・・私、先生のお菓子が食べられないのも嫌だし、藤原の味方が居なくなるのも嫌なんです」
穏やかな声に私は顔を上げる。
「今度美味しいご飯に連れてってくれるなら全てチャラにしますけど、どうします?」
いたずらな笑みを浮かべる少女を見て、私は心底救われた気がした。
「もちろん応じさせて頂きます。
光明が自分も行きたかったと羨むようなとこに行きましょう」
その言葉に、彼女は子供らしい笑顔を見せた。
長は、いや光明は彼女を守れたと命じた。
『えぇ、何に代えてもこの少女をお守り致します』
まずは東雲さんの喜びそうなお店を探さなくては。
彼女とのデートが心から楽しみになっている自分に、私は少し笑みを浮かべた。
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