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「いえ、そうではないのですが、その日は1日予定がありますので、そうですね、火曜日ではどうですか?」
「日曜日の午前中はだめなのか?どうせ仕事が午後からあるんだし。
それに月曜日でも良いだろう、東雲の帰った後にすれば良いんだから」
それを聞いて困ったような顔をしている誠太郎に、さっきのパソコンを閉じた行為と、変な日程を提案したことで光明はなんとなく察しが付いた。
「あぁ、デートか。
なんだ、新しい女が出来たなんて知らなかった」
「いえ、交際はしてませんよ」
「へぇ、お前が自分から落としに行くなんて珍しいな」
誠太郎はこのルックスと物腰で、昔から女が絶えたことが無かった。
それもどれも見た目の良い女ばかり。
ようは黙っていても向こうが寄ってくるのを誠太郎が特に拒まないだけで、あまり積極的に興味を持っているようにも思えないようだった。
結局相手から別れを切り出され、それを追いかけもせず笑顔で承諾するので、激怒したり泣いた女は数知れない。
そんな誠太郎が、積極的に相手と会うために時間を作っていること自体、光明には驚きであり、どんな女がそこまでさせるのだろうとその相手に興味を持った。
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