この楽しき祭りにてーSide Aー

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段々文化祭が近づくにつれ、校内は妙に浮き足立っていた。 高校に入って初めての文化祭、私は楽しみで仕方がない。 葛木先生に我がクラスはお菓子作りをレクチャーしてもらったのだが、今まで葛木先生に特に興味のなかった女子達が何故か、ギャップ萌え!と騒ぎだしたり、葛木先生がお菓子作りをレクチャーしてくれるとの噂を聞きつけた他のクラスが、自分達のクラスでも教えてほしいと、一気に葛木先生争奪戦の様相になってしまった。 「うちが最初にお願いしたのに」 「まぁまぁ、みんなの先生なんだから仕方がないよ」 机で突っ伏しながら葛木先生の次の予定がなかなか押さえられなくなった状況に私は思わず不満を口にする。 そんな私を見て、実咲が苦笑いしつつ宥めた。 「実咲は部活の出し物で一緒にやれないんだよね、残念だな」 「いや、私は塔子のコスプレ見るために意地でも当日来るから」 「なんで私がメイドなんて」 私は裏方、実咲は部活でクラスの出し物には関われず、塔子はなんとメイドとして接客に決まっていた。
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