この楽しき祭りにてーSide Aー

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文化祭当日。 朝から目の回るような忙しさだった。 それが昼を過ぎてもむしろ悪化するほどで、笑顔を振りまく加茂君も、頬が痛いと嘆きだしていた。 「ま、まさかこんなに人がくるなんて!」 「なんでメイド減ってるの?」 「部の出し物とかで急に出払ったんだよ!」 お菓子は前もって用意していたおかげで、裏方のスタッフは最低限で動けたのに対し、メイドの方が他の用事でいなくなる自体が多発し、クラスでは混乱が起きていた。 裏でばたばたと紅茶を準備していたら、加茂君が飛び込んできた。 「ゆいちゃんヘルプ!メイド担当して!さばききれない!」 「えっ?」 「これ洋服ね!僕の趣味で見繕った品だけど一応持ってきておいて良かった-! じゃぁ用意出来たら接客担当してね!」 そういって紙袋を強引に私に渡すと、ウィンクして急いでフロアに戻ってしまった。 裏方のみんながフロア手伝ってあげてというので、私は仕方なく紙袋をもって教室を出た。 確かに教室前には大行列が出来ている。 女性もかなりいるのだが、これはおそらく加茂君の影響が大なんじゃないだろうか。 さて、着替えようと思ったら、どこも色々な事で仕えず悩んでいたら、とある場所を思いだした。
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