この楽しき祭りにてーSide Aー

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「失礼しまーす」 なれた英語教師室。 入ってみたら藤原はいない。 「ま、手早くすればいいか」 私は部屋に内側から鍵をかけると、紙袋から洋服を取り出す。 広げてみて私は固まった。 「・・・・・・」 これ、他のみんなとはあまりに衣装が違う気がする。 なんというか、セクシーな感じがするのだ。 スカートもかなり短い。 固まっていたが、教室では沢山お客さんが並んでいるのを思いだし、私は覚悟を決めて着替えだした。 「これで良いのかな・・・・・・」 きっちり用意されていたものを着て、窓の前に立ってみる。 部屋に鏡が無いのと、どうせここは階も高いので窓に映る姿で確認した。 窓なので上半身くらいしかチェック出来ないけれど。 それにしても、初めて履く黒のニーハイソックスと、ふわふわと広がる短いスカートに落ち着かない。 白のブラウスの胸元はそこだけ生地が違い、その胸の下にギャザーがあって、胸の形が強調されている。 両手首にはシュシュのようなリボンがセットされていて、髪の毛にはフリルのカチューシャ。 どうみても見事なくらい、ただのコスプレメイドにしか見えなかった。 藤原があんな事を言ったのも頷けてしまう。
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