この楽しき祭りにてーSide Aー

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「私も可愛かったら良かったのに」 こういう可愛い服が似合う可愛い子だったら、どんなに良かっただろう。 そうしたら、藤原も少しはどきりとしてくれるかも知れない。 私はため息をつきつつ、紙袋に制服を詰めようとかがんだ。 ガチャ。 ドアのカギが開くと同時に、勢いよくドアが開いた。 私はその音に慌てて振り向く。 そこには鍵を持って呆然と立っている藤原が居た。 「「・・・・・・」」 目を見開いて固まっている相手を見て、ぼん!と顔に熱が上がった。 「あ、いや、急に頼まれて。 あ、ごめん、着替えるとこなくて・・・・・・」 混乱しながら一気に話す。 でも藤原は無言で入り口に立ったままだった。
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