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急に廊下から男子達の騒がしい声がこの部屋の方に近づいているのに気がつき、私は思わず藤原の背後に視線を向ける。
すると藤原は一歩中に入り、後ろ手でドアを閉めてしまった。
突然部屋に二人きりになり、私の足ががくがくと震えてくる。
もう恥ずかしくて死にそうだ。
だってこんな姿、きっと何か言われるに違いない。
恥ずかしいし、馬鹿にされる前に一刻も早くこの部屋から出なきゃと、どんどん焦ってくる。
「じゃ、じゃぁ」
慌てて残りの荷物を紙袋につめて、急ぎ足で部屋を出ようとした。
「おい」
ドアの前に居る藤原を無視してそろっとドアに手を伸ばしたら、真横から声がした。
私がおどおどと見上げると、何故か藤原が笑みを浮かべている。
私はその意図が読めずに途惑っていると、おもむろにポケットからスマートフォンを取り出した。
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