第一章 月曜日の憂鬱

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藤原光明(みつあき)。 私の学年の英語を担当している教師だ。 ざっくばらんな性格で男子生徒にも兄貴分として人気があり、顔もまぁ悪くないせいなのか、女子生徒が職員室で囲んで騒いでいるのも見慣れた光景だ。 屈託無く笑うその顔は、24歳という年齢より遙かに幼くみえる。 本人は童顔を気にしているようだけど。 放課後になり友人達に冷やかされながらも、私は仕方なくの目的地へと向かう。 あぁ今日は早く帰りたかったのに。 「来てあげましたよ~」 英語教師室という名の藤原の自室のドアを軽くノックし、私は中に入る。 「おー、待ってた」 明日の授業の準備だろうか、テキストやプリントを広げた机にむけていた身体を、藤原は椅子を回転させてこちらを向いた。 あれ?昼見た時より顔色が悪くなってる気がする。 「いい加減夜更かし止めたら? 今日の顔色、本当に酷いよ?」 「そうだなぁ、 やめられたらどんなに良いか」 そういうと藤原はため息をついた。 「仕方ないんだ、今レベル上げないと次のイベントが」 「このクズゲーマーが。 あーもういいから黙って早く寝なさい」 クズ・・・とショックを受けたような顔をしたが、椅子からふらりと立ち上がり、 一番奥にあるソファーに行くともそもそと横になる。 いつも通り一時間後に起こして、というと既に用意してあった大きめのブランケットを頭までかぶり、藤原はすぐに寝息をたてて眠ってしまった。 私はいつもの様子を見届けると、真ん中にある広い机に勉強道具を取り出し授業の復習を始めた。
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