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「うん。良い感じだね。一週間で大胆に変わった。これでお客様は来るかな?」
以前とは違う店内を見渡すと、帝は隣で行儀悪くティーカップを持ったまま、立って飲んでいる胡桃を見た。
「そうね。帝君よりもセンスは良いようね。でも、お客様はほどほどでよろしいのではなくて? あまり来ても煩いだけだもの」
そう言って、胡桃も店内を見渡す。
彗が花瓶を割って一週間があっと言う間に過ぎた。
その間、花屋は臨時休業を取り、彗の提案通りに店内を改装した。そして、今日がリニューアルオープン初日。
なぜ改装したかと言うと、店内が広すぎて帝と彗では花の管理や掃除が行き届かないこと。
それに、閑散とした雰囲気が何屋か全くわからないと彗から指摘されたからだ。
花瓶に少しずつ飾ってあった花の量では少ないらしい。
今まで広々と使っていた店内は、半分に間仕切りをして縮小した。それでも、まだ二十畳ほどあり広さとしては充分だと彗は言う。
壁に隠していたキーパーも、客に見えるように配置した。
ドアを開けると、すぐに見えるのは丸いアンティーク調の大きさが違う机が三つ。そこには色彩別で花を置く。
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