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「消えるところを邪魔したアコールは、私だけじゃないんでしょう」
麻里亜を改め、マリアが尋ねる。その予想外の問いかけに、私は驚いた。
「邪魔ってひどいな。まぁ、黙って見ていられない性分で、イブの他にあと二人ほど……」
私の答えを聞いて、イブが眉間にしわを寄せた。マリアはくっくっと声を出して笑った。
「あと二人! とんだ浮気者ね。気付いてもらうのを心待ちにしていた私がバカみたいじゃない。でも、考え方によっては良かったかもしれない」
「良かった?」
私は首を傾げた。緊急用レイヤに表示されるように細工を施した事が、どうしてフォーラムの存続に繋がるのだろうか。
「その二人は、私と同じように限りある時間を何かに費やしてきたはずよ。仲間に引き入れる事ができれば、きっと大きな力になってくれる。フォーラムを立て直すどころか、私達の望む世界を作るのも可能なくらいに」
「探してみようよ。あたしも手伝うからさ」
イブが私の肩に手を置いた。
「私達が力を合わせれば、あっという間に見つかるわよ。諦めるのはそれからでもいいでしょう」
マリアが反対の肩に手を置いた。両肩に触られているような感覚がある。
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