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雨は嫌いだ。
足下に水ははねるし、傘から水が絶え間なく、肩や顔にふりかかってくる。
水しぶきがはねないように、私はそっと歩を進める。
雨の日の買い物なんて・・・と私はため息をついた。
そもそもこんな雨の日は普通の専業主婦は買い物になんて行かないで、冷蔵庫にある在庫品でしのぐのだろうと思う。
だいたい買い物なんて、普通の主婦はそんなに好きなものではないだろう。
洋服やら靴やら本やらなどは別にして、毎日義務のように消費される大量の食料品や洗剤やらの買い物なんて、面倒だし、重いし、普通はうんざりするだろうな。
だけど私は違う。
雨は嫌いだけど、こんなつまらない買い物だけが心のオアシスだ。
つまらない買い物をする時間だけがって言ったほうがいいかもしれないけれど。
こんな心のオアシスの時間でも栞は縛られているし、支配されていると感じる。
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