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泣いて喜び祝杯を挙げ、結婚直前で同棲中だったフランチェスカを心底ドン引きさせたことがあった。
真面目な話、一スタッフとして子爵に張り付き、共に百科事典の編纂に携わりたかったくらいなのだった。
そんな、在野の理系分析馬鹿の前に、奇怪な生き物がプルプルブヨブヨしているのだ。
放っておく話はなかった。
さてどうしたものか。
ジョナサンの思考は、既にスライムを標本として捉えていた。
ジョナサンは自身の横をテトテト歩いている生徒に聞いた。
「なあユノ。あのスライムは何なんだ?」
ユノはこちらを見上げて言った。
「タンニュラですか?タンニュラはタンニュラです」
「この際名前はいいよ。種族はスライムだよな」
「そうです。ぷよぷよです」
ジョナサンが感じた疑問をあげてみた。
こいつの種族は何か。
そもそもこれだろう。これがはっきりしないと、何も進まない。
ジョナサンは、その疑問に真っ向ぶつかることにした。
スライムの最低な一日の始まりだった。
ジョナサンは、ユノとルルコットを連れてスライムを直撃した。
「ジョナサンじゃねえか。どうしたんだ?」
スライムの体内では、咀嚼されたリンゴがジュルジュル溶かされていた。
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