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気持ち悪いな。ジョナサンはそう思った。
「なあ、突然で何だが、お前は何だ?」
「ああ?俺は俺だよ。お前こそ何だ」
「俺も俺だよ。人間の男だ」
何か、話題が異次元に落ち込んでいったような気がした。
「お前がスライムなのは解る。種族名だよ。そうなんだそれが知りたいんだ」
「そんなこと言われてもよ。自分じゃ解んねえよ」
「スライムにはいくつか種類があります。基本的には体色による分類です。主にあるのはオーソドックスな青、他に赤や黄色、通常の人間が目視可能な虹の七色に分かれています。あとは体積の大小、他には弱点属性で変わります」
ルルコットが博識を見せた。そうかそうなんだな。
「なあお前、今ボール大だよな。八王子で知った。バスケットボールってのがあってな。今お前は丁度バスケットボール大だ。お前が本気だすとどのくらい大きくなるんだ?」
スライムは、自身が立っている、と言うか這いずっていると言うか存在している校舎、つまりは魔王城の本丸を見上げ目を細めた。アカデミーは魔王城のレプリカだった。
何その顔。そもそもそれ何だ?間抜けっぽいけれど。いや実際間抜け顔だよな。
「あの校舎っていうか城な。丁度あれがすっぽり入る」
「平べったくなったらどれくらいだ?」
「やってみねえと解んねえが、アカデミーの敷地二往復くらいだな」
何ヘクタールあるんだお前は。
ジョナサンはルルコットを見た。
辞典に目を通してルルコットは言った。
「それだけで判断した場合は、ブロブかブラックウーズです。伝説級の不定形モンスターになります」
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