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昇級考査に立ちはだかる論文制作。スライムの生態に関する考察。上手く出来た奴にはいい点をやろう。去年メタメタだったよな?ユノ。朝顔の観察だったよな?子供の宿題か。もうちょっとなんかあってもいいと思うぞ。絵は可愛かったが」
「はい。頑張ります」
論文制作の課題に朝顔の観察絵日記で真っ向から立ち向かい、教員を絶望させた生徒が決意を胸に言った。
「頑張るなお前はあああああああ!」
スライムを見つめるジョナサンの目は、エリゴール・ゼニスバーグにそっくりだったという。
磔刑に処されたスライムに、様々な生徒達は多種多様な魔法攻撃を加え、スライムの生態調査に乗り出していた。
「駄目ですわ。爆裂魔法は勿論熱線魔法も氷結魔法もまるで効果ありませんわ。普通のスライムならとっくに消滅しているはずですわ」
「うぎゃああああああ!効かねえぞもっとこいやこらああああ!」
「痛がるだけで無効。テイムも出来ないし」
エメルダが言った。
「テイムは完了しています。私の使い魔ですから」
そういや まだついてるよ。あの焼きごての跡。意外に律儀な奴だな。
「ですが異常です。ここまで強い魔法耐性を持つなんて普通じゃないです。ユノ、あのスライムとはどういう関係なの?」
ルルコットの問いに、ユノが応えた。
「さあ。解りません。気がついたらいました」
「発生からの経年で、多少は変化するはずです」
「おいスライム!お前何歳なんだ?何年生きてる?」
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