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そんな更紗は…
昔から近所でも評判の美少女で、
小中学校の頃は元より、高校に入るとなお一層に周りの男子たちのみならず、女子たちからも熱い視線を浴びた。
私が知る限りでも、更紗は優に十人以上の男子から告白されていると思う。
しかし…
彼女は、その告白全てをバッサリと断った。
とにかく…
更紗は、本当に美しかった…。
よく…
『この世の者とは思えぬほどの美しさ』と、言うが…
更紗の美しさは、まさにソレだ。
彼女自身も時々、
「何かさ。私ってこの世の者じゃないんだって。うふふ」
と、何度も私に冗談めかして言って来た事が有る。
(たぶん、誰かにそう言われたんだろう)
そして、更紗はいつも私にくっついて来て、私の前ではコロコロと明るく笑った。
しかし、他の生徒たちに対しては男女問わず、終始ムスッと無愛想だった。
まあ、普通…そんな事をずっと続けていると、
いくら美少女とは言え、周りから徐々に嫌われて、場合によってはいじめられそうなものだが…
彼女は私以外の人前では、どこか近寄り難い雰囲気を漂わせるようになっていたため、中学生になったあたりからイジメの対象にはならなかったと思う。
しかし私以外、彼女と親しく遊ぶ友人も特にいなかったみたいだ。
私と更紗は、いくら小中高と学校が同じとは言え、
そうそう都合良くいつもクラスまで同じになる訳も無く、
違うクラスになった時は、休み時間になる度に更紗が私に会うためにクラスに足を運んで来た。
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