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「ハァ・・・」 大きくタメ息を吐き、次いで酒瓶を煽った。 喉に焼けるような刺激が走り、それが胃まで到達すると身体がカッと熱くなる。 ・・・なんだよ、バーカ 人間の女なんか喰うくらいなら、俺の血を飲めば良いだろうが。 そりゃ味は違うかも知れないけど、俺だってそれなりに旨いんじゃなかったのか。 街で見かけた『食事』風景が目に焼き付いて離れない。 あの男が他の誰かを腕に抱いているのを見たくなくて。 艶然と吸血している姿に胸が痛んで・・・逃げ出してしまった。 街道の外れで待っていた夜と闇を置いたまま森の中へと全速力で走り、ここまで戻ってきた。 途中2匹を呼び寄せたから、そろそろ合流できるはずだ。 ほんと、ダッセェ・・・ 見当違いな考えで勝手に傷ついている。 吸血鬼にとって血を吸うことはただの食事で、そこに特別な意味なんかないことくらい分かってるのに。 けど、吸血されることで残る首筋の傷。 あれは自分があの男のものになれたような気がして・・・嬉しかった。 再生能力の高さゆえ、あの程度の傷痕はすぐに消えてしまうけれども。 それでも次に会える日までの繋がりのように感じていた。 それなのにここ数日あの男は姿を現さず、寂しさを感じていたところであの風景だ。 俺に残して欲しかったあの傷痕を 人間の女に残すのか・・・
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