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「・・・何で抵抗しないんだよ。ヤらせてくれんの?」 「君が、僕を?」 「だよ。逃げなきゃ、このままヤッちまうぞ。」 至近距離から顔を覗き込み小さく呟く。 濡れた唇と、情欲に染まったアーモンド型の瞳、困ったように下がった眉・・・ その表情が可笑しくて、フッと笑いが込み上げた。 「ってぇ!!」 「調子に乗るな。」 馬乗りになっていた身体を下から蹴り上げる。 手首を掴んでいた手が弛み、その隙を突いて力任せに起き上がった。 「ってぇな!何だよ、急に!」 「君が生意気だからだろう?」 クスクスと笑って見せれば、顔を赤く染めながらプイッと顔を逸らす。 本当に・・・バカなガキのくせに僕を揺さぶるのが上手い。 さっきまで感じていた苛立ちはすっかりと消え、今なら少しだけ素直になってやっても良いような気がしてくる。 「・・・んだよ」 僕の視線から逃れるようにそっぽを向いたまま呟く彼にゆっくりと手を伸ばした。 そうして顎を掴み軽く力を込め上向かせる。 「教えといてやる。僕は君のことを『食事』として扱ったことなど一度もない。」 「え・・・?」 「ここに・・・僕の痕を残すのも」 「っ!?」 晒された首筋に軽く口付ける。 チュッと吸い上げればピクッと身体を震わせる。 それが可愛く思えて、そう思う自分が可笑しい。 「『食事』した後には何も痕跡は残さない。あれは『所有印』らしいから。」 「・・・それって、つまり・・・どういう事だ?食事じゃないなら・・・あ!」 「・・・分かったか?」 僕を見つめる顔が閃いたようにパッと明るくなる。 それにニッと笑って見せれば、嬉しそうに口を開いた。 「デザートか!?」
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