白い女神様

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白い女神様

吹雪く風の音がする。それは悲しく苦しげな、病人の深い寝息のよう。渦巻くブリザードが夜の上空から大地へとなだれ落ちていく。凍っている世界のその片隅に小さな灯りがぽつんと見える。 笛の調べと太鼓 の 軽快なリズムがきこえる。小さな集落の真ん中の広場に大きな焚き火。お祭りの宴を愉しむ人々。 勢いよく燃え上がる焚き火中に白い光が現れ一瞬、真昼の様に明るくなった。音楽が鳴り止み静まりかえる。人々は大きな焚き火を見つめて息をのんだ。 炎の中に人影が薄らとが浮かび上がる。 影は炎から出て姿を現した。髪も肌も着ているものも雪の様に真っ白な、女神様。 白い女神様は皆の知らない言葉で歌い始める。そうして今度は楽しそうに踊り出した。 笛や太鼓がまた賑やかに鳴り響き、皆も一緒に踊り出す。 白い女神様が炎の中に消えしまう。 大きな焚き火はいつまでも消えなかった。
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