第1話 死地に入るのも君が為

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「……ネグセ!」  ━━は? 「……ブフォッ!」  隣で ブリオ━━いや ポニーが吹き出す。 急に恥ずかしくなって頭を触ると 確かに大きな寝癖があった。 「だって 何もかも無頓着そうなんだもん 軍服だけはちゃんとしてるけどさ」  ……不服だ。 いくらなんでも それはないだろ。 「へへへ……いやでしょ? ポニーちゃんも」 「……はい」 「あたりまえじゃないですか!」 「そう言うと思ったわ! だからね? 明日の朝の髪型で名前を決めることにしたの」  鉄の掟とは なんだったのか。 小隊長のめちゃくちゃな言葉に 自然と頬がゆるんでしまった。 「明日は軍属初日だからね 髪型しっかりばっちりキメて ちゃあんと挨拶しなくちゃだから! あっ! だからといって 遅刻しちゃダメよ!」 「……それは まぁ でも あたし髪なんて━━」 「そう言うとも思ったわ! ポニーが協力してあげること!」 「え……」 「明日アティピコが ボサボサだったら その時は絶対 ひどい名前をつけてやるから!」 「なんでですかぁ!?」
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