第1話 死地に入るのも君が為

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第1話 死地に入るのも君が為

「失礼します! 第7偵察班 6番小隊 アティピコです」 「同じく第7偵察班 6番小隊 ブリオーニですっ!」  言い終わる前にいきなり開くドア。 おなじ部隊へ配属された ブリオーニという幼い少女。 小さなポニテをふわりと揺らし、となりで困ったように笑う。 見た目で受ける印象は 同い ( 13歳 )とは思えない。 「あ 開いたね……」 「そうだね」  念のための確認をすませ ふたたび視線を室内へ。 そこには、書類の山を抱えてよろめく中年男性が。 念のための念のため…… 外プレートを指差し確認。 『支部長室』という文字で、目的地がここだと再認識。  書類の山をドサリと置いて 男がくるりと振り返る。 ずれた眼鏡をゆっくり外し、息でレンズを曇らせる。 「はーい 訓練学校式の挨拶 お疲れさま でも そういう堅苦しいの 支部(ウチ) ではやめてね」  みんな困っちゃうからさぁ。 小さくひと言付け加え、急に椅子へとダイブする。 見た目に威厳がない上に、振る舞いだって自由そのもの。 「あっ……はいっ!」  あっけにとられ 返事が遅れるあたしたち。
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