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第1話 死地に入るのも君が為
「失礼します!
第7偵察班 6番小隊 アティピコです」
「同じく第7偵察班
6番小隊 ブリオーニですっ!」
言い終わる前にいきなり開くドア。
おなじ部隊へ配属された ブリオーニという幼い少女。
小さなポニテをふわりと揺らし、となりで困ったように笑う。
見た目で受ける印象は 同い 年とは思えない。
「あ 開いたね……」
「そうだね」
念のための確認をすませ ふたたび視線を室内へ。
そこには、書類の山を抱えてよろめく中年男性が。
念のための念のため…… 外プレートを指差し確認。
『支部長室』という文字で、目的地がここだと再認識。
書類の山をドサリと置いて 男がくるりと振り返る。
ずれた眼鏡をゆっくり外し、息でレンズを曇らせる。
「はーい 訓練学校式の挨拶 お疲れさま
でも そういう堅苦しいの 支部 ではやめてね」
みんな困っちゃうからさぁ。
小さくひと言付け加え、急に椅子へとダイブする。
見た目に威厳がない上に、振る舞いだって自由そのもの。
「あっ……はいっ!」
あっけにとられ 返事が遅れるあたしたち。
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