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その後、王都の中をあちこち巡り、ついに夕方になった。
「ミツキ、約束の時間だ。」
「い、嫌じゃ!妾はもっと遊びたいのじゃ!」
ヒナタはもう帰る時間だと言うが、ミツキはもっと遊びたいと我が儘を言う。
「お黙りなさい小娘、お前が居なくなったせいで、どれだけの者に迷惑が掛かっていると思っている。」
真面目な事を言っているんだろうけど、最初の言葉のせいで、おふざけに聞こえるぞ。
「な、なぜ妾がもっと遊びたいと言うだけで他の者に迷惑が……」
「良いから黙って帰れや。」
ヒナタはゲートを開き、その中にミツキを放り投げた。
「よし、これで解決だな。」
「お前、酷い兄貴だな。」
「何を言ってやがる。あいつは一応、アマツカミの皇女だぞ。城を抜け出すどころか、国まで抜け出したんだ。それぐらいで済めば良いだろ。」
そう言うと、ヒナタはゲートの中に飛び込んだ。
たぶん、妹を庇ってやろうとしてるんだろう。
素直なやつじゃねーな。
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