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そう。音川に電話をした際『矢野さんなんかいいんじゃない?』というようなことを言われ、それが現実になったんだから驚くだろう。まあ、小鳥遊も驚いているが。
「でもさ、小鳥遊くんなんかエロくなった? いや、元々色気はあったけど」
音川が小鳥遊のことをまじまじと見ながらそうやって言ってくる。そうやって見られると恥ずかしいのだが、否定はできないのでしょうがない。
「オーラがピンク色だよな。ピアスもつけるようになったし。なんで?」
「いや、元々穴は開いてたんですよ。でもつける気になれなくて、塞いじゃおうと思ったんですけどこの人がつけろつけろって煩くて」
「……そうなの?」
「うん。だってさ、ピアス見せるために髪を耳にかけるのが最高にエロ……ぶぐっ」
「あんたの口を塞いでやりましょうか?」
と、こんな感じだ。この二人のやりとりに、旭陽と音川が笑う。
きっと旭陽と音川にはバレバレだろうが、小鳥遊は矢野のことがかなり好きで、矢野も小鳥遊のことを溺愛している。
そうじゃなければ、こんな風に互いの要望を受け入れたりしない。
「いやー、にしても俺は旭陽と統くんが仲良くなってくれて良かったと思ってるよ」
「あーそうですね。やっと和解してくれたって感じで」
あれから旭陽と矢野は話し合い、事の真相を互いに打ち明けることにしたそうだ。すると互いに大きく誤解をしていたらしく、なんとかわかり合うことができたようで今はこのように、普通に会話もしている。
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