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くだらない言い合いをしていたのは高校生時代からの付き合いで、生意気な後輩の小鳥遊柚月だ。最初この苗字をなんと読むのかわからなくてこいつに嘲笑われたのは一生忘れない。
この事務所の社長でもある邑はネットで旭陽の絵を見て勧誘してくれた。この人のお陰でバンバン仕事が舞い込んで嬉しい悲鳴を上げましたよ。
隣にいる小鳥遊が超盛大なため息をついたのを横目で見ながら、パソコンに向き直ったその時。
「ねー旭陽ちゃん。新しい仕事舞い込んで来たからカモン」
「人に向かって指さしてはいけませんよーって学校で習いませんでしたか?」
「……ごめんって。頼むから来てくださいまし」
中年が頭を下げたのを見てから、近くに寄って行く。
旭陽は長いグレーのニットを着ており、それは膝くらいの長さまである。鎖骨が剥き出しになり、それが色気を漂わせていた。
身体のラインがわかるくらい細身なニットは、旭陽によく似合っていた。
「貴方にどうしても頼みたいお仕事がございまして。いや、というより指名されたという方が正しいかな?」
「……は?」
一体これで何回めだ。
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