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2.彼と仲間と俺
そんな出会いから1年と少し。
俺は帰る家がない事をノエに伝えて、彼と旅をすることあの森からずっと遠くの町までやってきた。
宿屋で借りた部屋で扉を出る前に白い髪の毛をチェックして、姉から貰ったヘアピンをつけて、身だしなみを確認してから外を出る。と―
「キサ、おはようっ!」
「うぉっ!?」
早速後ろから衝撃がやってきた。抱きつくように俺の背へ体当たりしてきたのはあの暗い森の中俺を見つけた旅人ことノエである。俺はその衝撃にたたらを踏みながらも留まり、それに体当たりしてきた当のノエはうーんと少し複雑そうな顔をして見上げる。
「なんかキサ、最近身体鍛えてる?」
「そりゃ、まぁ…旅してるし」
旅をしていれば、魔物と呼ばれる化け物に襲われたりすることもあるし、そもそも旅となれば道のない荒れ地を歩いたり、野宿をしたりするのも当然で。そうなればノエと出会った当初のあまり運動とは縁のなかったキサも旅をする内に自然と体力などもついてきたのだ。…まぁ、ここだけの話、それだけではなく最近は筋トレもしているせいもあるのだが。それを言えばノエがさらに複雑そうな顔をするだろうから言うのはやめておく。
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