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「最初の頃は色々と僕に頼ってくれてたのに、最近はそう言うのが減って少し寂しいなぁ」
「別に俺は…」
「いやいや、そこはフツー頼もしくなったって言うところやろ」
俺の声に被せて会話に入り込んできたのはトガセだ。ふわぁと欠伸をしながら「おはよーさん」と歩いて近づいてくる。俺がトガセの登場に表情を曇らせるのにノエはそれと対照的に顔を輝かせて「おはよう」と言って俺に体当たりをしてきた時と違ってトガセの方へと小走りで駆け寄る。その様子を見てさらに俺はムッとする。
「やっぱり男はできないよりもデキる男になりたいもんやろ。
キサもキサで1人でやりたいこととか増えるだろし、それにデキる男には女が寄るしな」
「ああー、そっか。そうだよねぇ。
キサも男の子だもんね。色々とやりたい事とか女の子とか気になるよね」
「そそ。
まぁ、ノエも親離れしてキサがちゃーんと一人前になれるようしっかりサポートしてやり。
たまには突き放すことも必要だからな」
「そうだね…寂しいけど、トガセの言うとおりだね」
(いやいやいや、トガセの言うとおりじゃないだろ)
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