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「トガセ、はい。コーヒー飲むでしょ?」
「おう」
「あ、あとスクランブルエッグも少し取っておいたから食べなよ?」
「んー」
心ここにあらずという感じでトガセはノエの言葉に返しながら雑誌を一通り見ていく。その様子にシオリがふふっと笑う。
「トガセさんとノエさん、なんだか夫婦みたいですねぇ。それか親子みたいな!」
その言葉に「そう?」と返すノエ。トガセは聞こえていなかったらしく無反応。「そうね」とノナはシオリに同意し、俺は顔を顰める。
「でも、トガセって結構食事のことは無関心だからなんか面倒みなくちゃーって思わない?」
「ああ、確かにそうですね。私の父も食事中はトガセさんみたいな感じなので、ノエさんみたいな行動してるかもしれないですね。じゃないといつまでも食事が終わらなくて他のことができませんし…」
「それを考えるとトガセってば結構オヤジっぽい?」
「誰がオヤジや」
ノナが面白おかしそうに言うのに、一通り雑誌を読み終わったらしいトガセが話の輪に加わる。ノナにオヤジと言われたのがよほど嫌だったようで、コーヒーを飲みながらぐちぐちと文句を言う。
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