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彼方は父親譲りの金色の髪を水色のリボンで結んだ。
今日は高校の入学式──!と意気込むこともなく、ただ淡々と準備をして電車に乗り込んだ。
入学選抜も目指す夢のために実際の学力よりレベルを落として受けたため、高校への思い入れはあまりない。
強いて言えば、どの部活に入ろうかな~程度の感情しかなかった。
基本、明るく笑顔が素敵なハーフの女の子。そんなイメージでやってきた彼方も、本命だったオーディションに落ちた傷は大きい。
『次は~八葛学園前~。八葛学園前~。』
車内アナウンスの音に、慌てて電車を降りた。
あぁ、今日から高校生が始まるのか。
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