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ナナシ、それが俺の名前、記憶はあるはずだ高校二年生の夏、交通事故にあって運ばれた病院がこの部屋だ。
看護師さんの言葉が耳に入る。意識レベル問題なし、といわれ、次にはこう医師がいった。
「脳に障害あり、箱に接続してやってくれ」
箱?
目が覚めた。
俺はあたりを見わたす。
何もない箱の中のようだ。
色は白濁とした真っ白でタンスやら傘立てがあった。
ようく見たら傘立ては剣だったし、タンスを開けたらハンドガンが出てきた。
ちょっと怖くなった俺は鏡を見た頭に縫合の痕があった。
頭を打って出血がひどかったはず。
なぜ無事だったのか分からないし、問題なのはここがどこかということだ出口もなければ入口もない。
液晶モニターがあったのでそこを凝視した。
チンチロリンと音が鳴ると、液晶モニターが光った。
そこにいたのは天使のような暖かい笑みをこちらに向けてくる女性だった。
【あなたはモルモットに使われました。箱の世界から出たいのなら、すべての箱を一つにすることです】
天使はにこりとして冷たいことを言った。
【ちなみにこの世界で死ねばゲームオーバーです。参加者はあなた一人ではありませんし、モンスターが参加する場合があります。モンスターを殺せばその箱を手に入れることができます。
同じ参加者だった場合も同じです。あまりお勧めはしないので、同盟をくむことをおすすめします】
俺は冷や汗全開だ。
だって、箱と箱をつなぐことは分かった。
問題は、出口のない面をつなげても箱がつながったといえるのだろうか?
そんなことを考えていると、ブザーが鳴った液晶モニターがこちらの箱がある場所を指さす。そこから北に一個の箱がある。
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