ハロウィンの夜に(同居後)

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 仕事が終わって帰宅すると、ソウタが魔女の帽子を被って出迎えてくれた。 「ケイ。トリック、オア、トリート」 「えっと……」 「えへへ。びっくりした?」 「ああ……」  今日はハロウィンか。  部屋に充満するかぼちゃのにおいで思い出した。そういえば、会社の女子社員たちが大きな荷物を持って来ていた。あの中には仮装の用意が入っていたのかもしれない。仕事終わりに元気だな、と思う。  俺はソウタの頭に目をやった。帽子は被る、というより頭に乗っている感じ。カチューシャにくっついているからだ。よく百均に売ってるようなやつ。フェルトの小さな可愛い帽子がソウタの頭を飾っている。 「……可愛いのはソウタだけど」 「何?」 「いや、何でも」  着替えるために自室に入る。  新しく借りたマンションは部屋が三つある。ソウタの部屋と俺の部屋と寝室に分けた。客間が無いが、この家に他人を上げる気はないので良しとする。ここは俺とソウタの愛の巣だ。 「そういえば、ケイってかぼちゃ好き?」  リビングに戻った俺にソウタが訊いた。  好きだよ、と言うとソウタは嬉しそうに笑った。可愛い。 「良かった。男の人ってかぼちゃとか嫌いな人多いって聞いたから」 「好き嫌い無いから、大丈夫……ってか、今日はかぼちゃのフルコース?」
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