一、

1/3
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ

一、

桂木は教室を出ると、空を見上げた。そこには一月の青い空が広がっていた。雲一つなく、引き込まれそうなくらいに澄んだ青い空だった。いつもだったら、こんなに青くないのに。空気が冷たくて、湿気がないせいかな? 終戦のあの日も、こんな青空だったのだろうか? などと、考えながら歩き出した。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!