Four leaf clover

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「今後も高速航行は可能か」  レキシアが司令席の前に立ち訊ねると、テオははじき出されたパーセンテージを読み上げた。 「メインエンジンに負担をかけないよう、二十パーセントダウンの速度を維持されたほうがよろしいかと」 「戦闘での機動力を温存するにはやむを得ないな」  レキシアは黒髪をかき上げため息をついた。  長身に黒の軍服が栄える。華美な装飾のないデザインでも、レキシアが着れば遠くにいても目を引く。容姿もさることながら内面からあふれる才気ゆえだ。  僕はレキシアの自信満々に敵を見すえる強気な眼差しが一番好きだけれど、いまみたいに憂いをおびた伏し目がちな横顔も好きだった。レキシアをわずらわせるすべてから、守ってあげたくなるからかもしれない。  なんて言ったら嫌な顔するだろうな。年齢も階級も下の僕がどうにかできるほど、レキシアの行く手を阻む障害は小さくないのだから。  彼は僕よりひとつ上、二十三歳という若さですでに第一宙域中央政府軍――通称“第一軍”(プライマリ)の中将、分艦隊の司令官で一個艦隊の約半分、六千隻の艦を指揮下に置く。 【階級:元帥、大将、中将、少将、准将、大佐、中佐、少佐、大尉、中尉、少尉      →以下、准士官と続く】
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