ONE DAY from snowy snowy snow

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  1月後半、EXTREMESを終え、碓氷村に戻るとすっかり銀世界だった。 新居が(一応、でも十分に)住めるようになっていた。 妹・ゆき(生後約7か月)がハイハイで爆走するようになっていた。 「三ヶ月近く留守にしたらこんな事になるんだ……」 「言っただろ」 兎にも角にも新居!一階のリビングと寝室ほか生活に必要な空間は完成し、あとは柊の書斎兼アトリエの内装を残すのみ。二階は配管剥き出し、仕切りの壁も出来てないけど、こっちは春の完成に向けてぼちぼちと進むようだ。 柊はリビングの柱を下から上までゆっくりと見上げ、木の匂いがすると嬉しそう。 俺は真冬だと言うのに大汗をかきながら、配送済みだった家具の梱包をどんどん開けてセッティング。まずは寝室。一にも二にも寝室。今夜からここで柊を抱っこして眠る為に、何が何でも寝室を整えるのだ。 「帰って来たばっかりなのに」 「居ても立っても居られんもん。柊もカーテン掛けて」 「はいはい」 二つ並んだダブルベッド。俺と柊の愛を育む寝床。ああ幸せ。マジで幸せ。 「アパートの再現だな。見事なシンメトリー」 「左右対称は正義だろ」 「はいはい」
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