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今回の移動は柊と一緒!五輪期間中の何やかんやはビクトリア社との契約から外れるらしい。
「国の代表として参加する訳ですから」
「森さん……ちゃんと休息取ってますか?」
「大丈夫です。太一くんは優しいですね」
優しいとかじゃなく、ただただ心配だ。中谷さんも。二人は本当にあちこち忙しく飛び回り、食事の時もパソコンやスマホと睨めっこしている。柊は、この二人は仕事が生き甲斐で取り上げたらむしろ毒になるから静かに見守れと言う。
スタッフの皆さんを信じて、ひたすらジャンプに集中する。それが俺と柊、ライダーの仕事だと。
「夏には碓氷村のゲレンデで、エッジ主催のフェスが開催されますよ」
「え」
「オンシーズンはカップ戦、オフシーズンは音楽フェス。五輪が終わっても、今後はこれが碓氷村の二本柱になります。全て柊さんの人脈が追い風になってくれてるんです。それを最大限に生かす為に僕は何でも出来る気がします」
またドキドキして来た。
「スケートリンクを作ってスポーツ推しの大学を誘致するプランもあります。アスリートに優しい碓氷村を目指しましょうね」
ああ。
柊は本気でゆきをフィギュアスケーターにする気かも知れない。
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