第1章 少年と友達

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次の日 河相君は学校に来なかった。 その次の日もその次の日も。 夏休みに入るまで河相君は一度も学校に来なかった。 僕は複雑な気持ちになった。悪いのは河相君であり、僕は河相君に騙されたのだ。 後日聞かされたのだが、河相君は母子家庭で家が貧乏だったそうだ。盗みも過去に何度かしているみたいで学校の先生は知っていたようだ。 悪いのは河相君なのか? 悪いのは河相君の親なのか? 悪いのは沙織ちゃんの助言を聞かなかった僕なのか? 悪いのは、誰? 夏休みも終わり、2学期が始まった。 あれ以来、河相君が学校に来る事はなかった。
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